NAPROCKとは?
高度IT人材育成ネットワークの構築
高専プロコンを核とした産学官連携による教育モデルの発展
背景
近年、デジタル化の進展に伴い、情報産業は社会基盤として重要性を増しています。
その発展を支えるには、単なる技術力にとどまらず、創造性と実践的応用力を兼ね備えた高度IT人材の育成が不可欠です。
高等専門学校(高専)は、創設当初から理論と実践を融合した教育を行い、近年はPBL(Project-Based Learning)型教育を通じて、課題解決力と実践力を育んできました。
その象徴ともいえる「全国高等専門学校プログラミングコンテスト(高専プロコン)」は、学生の発想力・技術力を競う場として高く評価されており、教育界・産業界を結ぶ架け橋となっています。
法人設立の必要性
こうした高専プロコンの取り組みをより一層発展させ、国際社会の中で通用する高度ITエンジニアを育成するためには、既存の任意団体による活動には限界がありました。
情報産業のグローバル化が進む中で、教育機関だけでなく、企業・行政を含めた産学官が連携し、社会に開かれた形で持続的に活動できる法人組織の存在が求められました。
このような背景のもと、2008年、**特定非営利活動法人 高専プロコン交流育成協会(NAPROCK)**が発足しました。
本協会は、高専と産業界との協働を基盤とし、次世代のIT人材を育成するための実践的な教育研究、国際的な教育交流、そして地域社会への貢献を目的として活動を展開しています。
設立趣旨
情報産業の発展において、人材の質が社会の競争力を左右する時代が到来しています。
その中で本協会は、創造性豊かで、技術的にも高い水準を持ち、国際的な視野で活躍できるエンジニアの育成を目的としています。
高専と産業界の連携による実践的教育(COOP教育)の推進
高専における専門教育と企業現場での実務経験を組み合わせた共同教育を通じて、学生が社会課題の解決に挑戦できるスキルとマインドを養成します。
高専プロコンを中核とした人材育成と交流の場の拡充
学生・教員・企業・行政など、異なる立場の関係者が技術・教育・創造をテーマに交流することで、新たな教育的価値と社会的ネットワークを生み出します。
国際化への対応とグローバル人材育成の促進
国際コンテストや海外機関との連携を強化し、世界的視点での情報教育を展開することで、グローバル社会に通用する人材の育成を目指します。
地域社会への波及とIT教育の普及
地域の産業界や自治体と連携し、地方から全国、さらに世界へと広がるIT人材育成のネットワークを構築します。
設立の経緯
本協会の誕生には、長年にわたる高専プロコンの歴史と、その教育的意義の積み重ねがありました。
高専プロコンは1989年に第1回が開催され、以来、学生の発想力と技術力を競い合う場として定着しました。
その成功の背景には、学生の情熱、指導教員の献身、そして企業や自治体の継続的な支援がありました。
こうした成果を一過性のものとせず、持続的・体系的に発展させるための仕組みとして、産学官が一体となった法人化の構想が生まれました。
そして2008年、非営利の立場で社会に開かれた教育ネットワークを構築することを目的に、「特定非営利活動法人 高専プロコン交流育成協会(NAPROCK)」が正式に設立されました。
特定非営利活動法人高専プロコン交流育成協会 設立経緯
平成19年10月6日 設立総会(津山市 津山国際ホ テル)
・特定非営利活動法人高専プロコン交流育成協会の設立の審議、承認
・特定非営利活動法人高専プロコン交流育成協会の定款の審議、承認
・設立当初の役員の選出
議長より設立当初の役員の人選について諮られ、審議の結果、理事に清水洋三、長谷川淳、神沼靖子、和田成史、豊田崇克、尾上卓太郎、山田正彦、堀内征治、伊原充博、山崎誠、桑原裕史、松澤照男の各氏、監事に浅田隆治、木戸能吏の両氏にすることを承認。また、理事のうち理事長に清水洋三氏、副理事長に長谷川淳氏及び神沼靖子氏とすることについても承認。
・平成20年度及び21年度の事業計画書及び収支予算書案の審議、承認。
・法人設立認証申請について
設立代表者(申請者)を堀内征治氏とすること、役員のうち報酬を受ける者はいないことなどを承認。
平成20年3月24日 設立申請(東京都庁)
平成20年6月16日 高等専門学校連合会連絡会(全国高専校長の出席)
NPO高専プロコン交流育成協会の設立の報告、承認
NPOに係る会計処理の承認
平成20年7月23日 設立認可(東京都庁)
平成20年7月25 法務局 登記申請
平成20年7月31日 法務局 登記完了
平成20年8月 6日 設立記念総会・講演会
今後の展望
本協会は今後も、急速に変化する情報社会の中で、教育と産業をつなぐ中核的な存在として、
高専・大学・企業・行政機関との連携を強化し、次世代を担う高度IT人材の育成を一層推進してまいります。
未来の情報産業を支えるのは、技術力だけでなく、課題を見出し、社会に新たな価値を生み出す「人」の力です。
高専プロコンをはじめとする教育活動を通じて、創造的で実践的な人材が育ち、
日本、そして世界の情報社会の発展に寄与することを目指していきます。
ごあいさつ-第6代理事長
特定非営利活動法人高専プロコン交流育成協会
第6代の理事長を拝命いたしました桑原裕史です。精力的に勤められた歴代の理事長に倣い、精一杯務めさせていただきたいと存じます。 平成2年に生まれました高専プロコンも令和6年の奈良大会で35回を迎えます。プロコンの創立当初から関わってまいりましたメンバーの一人として、社会に認められ定着したプロコンの応援ができることを大変誇りに思います。これもコンテストを支えていただいた協賛企業、後援団体の皆様、実行を担っていただいた高専教職員の皆様のご努力と熱意によるものだと改めて感謝を申しあげます。
さて昨今、通信速度の向上、クラウドやAI技術の発展により、情報処理技術には急激な変化が訪れています。専門の知識やプログラミングの経験が無くてもシステムの開発が可能だといわれるAIによる自動的なコードの生成や、ノーコード・ローコードと呼ばれる開発手法等新しい手法は枚挙に遑(いとま)がありません。しかし、このような時代であればこそ、しっかりとした工学の基礎知識を身に着け、実験実習や卒業研究等によって実践的な技術も身に着けた高専の卒業生こそ思う存分に活躍できるのではないかと思います。 今、高専設立から60年を経て、世の中では再度高専教育に日が当たってきています。私立の高専の新設があり、県立高専の開校も予定されています。海外の高専の卒業生も活躍し始めています。これは数十年の月日を費やし、誠実にかつ真摯に工学教育に取り組んだ高専の成果でもあろうと推察いたします。高専に学ぶ学生諸君は決して現状に甘えることなく自らの専門知識の習得に専心し、身に着けた技術を社会に還元していただきたいと思います。当協会は全力で皆さんを応援いたします。
最後になりましたが、高専から優れた人材を世の中に送り続けるために、NAPROCKの理事一同は努力いたします。協賛企業の皆様を始め、全ての関係者の皆様に、一層のご支援とご協力を賜りますようお願いして、理事長就任の挨拶とさせていただきます。
令和5年吉日 桑原 裕史
高専プロコンの歴史
ここで第3代のNAPROCK理事長であった松沢照男先生(故人)の文章をお借りして、高専プロコンの歴史についても、記録のために記述しておきたいと思います。
第3代 NAPROCK理事長 松沢照男
私は1985年当時沼津高専に奉職し、当時立ち上がったばかりの情報処理教育を担当し、その縁で前堀内理事長はじめ現在の本協会の主立ったメンバーと親交を結ぶきっかけになりました。 高専においても情報処理教育のあり方が熱心に議論された時代ですが1977年に登場したパソコンがようやく普及し、特別な人にしか扱えなかったコンピュータが高専の学生のみならず誰でもが手にできるようになったときでした。当時の議論はコンピュータの機種や性能を中心とした情報システム環境を中心としたもので、コンピュータに興味をもった学生達になにを与えるべきかという視点は二義的な話でした。 その頃、堀内先生を中心に情報処理教育を担当した教員仲間で、なにか学生の興味やモチベーションを刺激する方策はないかという議論から高専プロコンを企画し、清水先生やコンピュータソフトウェア協会のご協賛を得て1990年に京都で第1回を開催し、本年まで連綿と大会開催を継続して参りました。
理事・組織図
特定非営利活動法人高専プロコン交流育成協会 役員
| 役 職 | 氏 名 | 所 属 等 | 報酬の有無 |
|---|---|---|---|
| 理事長 |
桑原 裕史
|
(独) 鈴鹿工業高等専門学校名誉教授 (独) 都城工業高等専門学校名誉教授 |
無 |
| 副理事長 | 豊田 崇克 | ネクストウェア(株) 代表取締役社長 |
無 |
| 堀内 征治 | (独)長野工業高等専門学校名誉教授 | 無 | |
| 理事 | 荻原 紀男 | (株)豆蔵K2TOPホールディングス 代表取締役会長 |
無 |
| 木戸 能史 | (学)育英学院法人 常務理事(サレジオ高専担当) | 無 | |
| 後藤 泰佐 | (株) インテリジェントウェイブ取締役常務執行役員 | 無 | |
| 笹岡 賢二郎 | (一社) ソフトウェア協会専務理事 | 無 | |
| 鈴木 宏 | (独)長野工業高等専門学校教授 | 無 | |
| 尋木 信一 | (独) 有明工業高等専門学校教授 | 無 | |
| 田中 邦裕 | さくらインターネット(株)代表取締役社長 | 無 | |
| 田渕 貴之 | (株) タブチ取締役 | 無 | |
| 千田 栄幸 | (独)一関工業高等専門学校教授 | 無 | |
| 寺元 貴幸 | (独)津山工業高等専門学校教授 | 無 | |
| 長尾 和彦 | (独)弓削商船高等専門学校教授 | 無 | |
| 監事 | 岡 庄吾 | 監査法人だいち代表社員、公認会計士・税理士 | 無 |
| 山﨑 誠 | (独) 木更津工業高等専門学校校長 | 無 | |
| 顧問 | 後藤 景子 | (一社) 全国高等専門学校連合会会長(奈良高専校長) | 無 |
※2023年3月1日現在
